今回お話を伺ったのは、総合広告代理店 販促工房を経営している笹野将治(ささの まさはる)さんです。

愛知県豊橋市にて、販促物のデザイン・制作、ホームページ制作、マーケティング、SNS運用など、お客さまの売り上げアップをサポートされています。

また、「子育て中のお母さんたちを応援したい」をビジョンに掲げ、「家でできる高単価なお仕事」を主婦の方々に提供されています。

そのきっかけは、お子さんが小さい時に「家計のために」と、内職をされていた奥さまの姿でした。

どんなにがんばったとしても時給300円ぐらいのお仕事ばかりで、笹野さんは「せめてがんばりに見合う仕事があればいいのに…」と感じていたそうです。

そんな笹野さんのホームページ『販促工房』には、いろんな画風の漫画やイラストがたくさん!

コロナ前は全国をセミナーして廻ることも多く、そこで知り合った仲間の漫画家さんたちに描いていただいたそうです。

販促工房HPのイラスト
販促工房HPのイラスト
販促工房HPのイラスト
販促工房HPのイラスト
販促工房HPのイラスト
販促工房HPのイラスト

もともとは印刷会社で17年間、デザイナーとしてバリバリご活躍されるも、「ここぞ」というところで さっとあきらめを選択されて現在にいたります。

その過程では、「あと1ヶ月 遅れていたら廃業していた…。」という状況に陥ったこともあるのだとか!

この窮地を脱せられたのもあきらめを選択されたことにあると言いますが、いざという時ほど選択は難しいもの。

誰しも訪れるいざという時、柔軟にあきらめられる秘訣はどこにあるのか?

お話を伺いながら探ってみたところ、どうやら、日々「相手に喜んでいただくには?」を考えることにあるようです。

笹野さんはいったい、どんなことをあきらめてきたのでしょうか?

音声で聞きたい人はこちら

笹野将治プロフィール

販促軍師 笹野将治

愛知県春日井市出身、豊橋市在住。
デザイナーとして印刷会社に勤務した後、2014年に販促工房を創業。

サービス構築、紙媒体の制作、Webデザイン〜マーケティング、助成金申請など、売り上げアップをトータルでサポート。

『株式会社ペライチ』公認の愛知県代表サポーターとしても活動している。

奥さまと3人のお子さん、ネコちゃん2匹の7人家族。スイーツが大好き。

Facebookのタイムラインには、ブログのほか、ご家族との話題もちらほら出てきます^^

奥さまの内職経験をきっかけに、子育て中のお母さんたちに「家でできる高単価な仕事を提供する」仕組みづくりを開始。

販促工房のビジョンは【子育て中の主婦の方々を応援したい】

販促工房

マーケティングの勉強を始めたのは、お客さまの話を聞いてあきらめたことがきっかけだった

佐藤 どうぞよろしくお願いいたします!笹野さんのあきらめた経験って何でしょうか?

笹野 最初のあきらめは、サラリーマン時代になってからでした。もともと、印刷会社でデザイナーを17年やってまして。

佐藤 え!笹野さんって、もともと紙のデザインをされていたんですね!Webのイメージがあったので…。

笹野 そうなんです。それで、新米こぞうの時はデザインして、「かっこいいのできたな!」って喜んでたし、嬉しかったんですよね。

だけど、だんだんと成長していくと、お客さま先を訪問するようになってきまして…。

自分の中では「すっげーデザインができた」と思って訪問するんですけど。お客様との打ち合わせでは、「じゃあ、これでどうやって売上を上げていこう?お客さんを呼ぼう?」っていう話をされるんですよ。

初めてそこで、かっこいいデザインを求められてる訳じゃなくて、「売り上げを上げるデザインを求められてるんだ!」って知りました。

僕がいたのは印刷会社だったので、デザインして、印刷物をたくさん刷ってなんぼだって、会社ではそう教えられるんです。

だけど、お客さんの求めているものはそこではなくって、それを使ってどう売上をあげるか。それを知って衝撃を受けました。

「僕のやってることっておかしかったんだ!」って、気づいたんですね。

佐藤 そういうの、ありますよね。会社が求めてるものとお客様が求めてるものが違うって。

私も製薬会社の時に…。会社としては薬をたくさん売りたいんだけど、先生はあくまでも患者さんを治したい。そのための情報が欲しい。

それと、ちょっと似ている感じがします。

笹野 そういう感じですね。そこからマーケティングの勉強を始めました。

それが、1回目のあきらめです。大切だと思っていたことを捨てたというか、デザインよりも結果の方が大事だなって気がついた瞬間でした。

笹野さんのFaceookより

会社員としてやれることはやった。努力が報われないなら自分でやろう

笹野 2回目のあきらめは、勤め人をあきらめたことです。「サラリーマン神話」を信じてバリバリのサラリーマンをやっていたので。

がんばって仕事をしていくと、年々給料が上がって大きい仕事を任せてもらえるって思い込んでいたんです。だけど、僕の部署の数字が上がっていても、会社全体の売上が下がっていたら給料は減るんですよね。

佐藤 あぁ〜。そうですよね…。

笹野 ボーナスも減りますし。っていう事実を目の当たりにして、「あれ?僕こんなにがんばってきたのに何?!」っていう衝撃。笑

自分で言うのも難ですが、僕は仕事ができるほうだったので、他の人より1.5倍とか倍ぐらい作業できたんですね。

なんですけど、倍作業しても給料は倍にはならないじゃないですか。逆に減るという不思議。笑

佐藤 わぁ…。泣

笹野 さらに「お前もっとできるだろ」って、どんどん仕事が増えていくのに給料が減っていく…。

社長に直談判もして、いろいろやりました。…まぁ、最後は喧嘩になり辞めてしまったんですけど。

サラリーマンだと、「組織が大きすぎると努力が報われないこともあるんだな」っていうのを知ったわけですね。そこで独立したような流れになります。

佐藤 そうだったんですね!それまでは同じ会社にお勤めだったんですか?

笹野 23〜40歳まで、17年間1社でずっとやってました。

30歳をこえて抱いた違和感。社外での交流会や勉強会に参加するように

佐藤 それだけ長くお勤めであれば、会社を離れる前にいろいろ考えられたんじゃないですか?それとも、すんなりおやめになった感じでした?

笹野 やめると決めたらすんなりって感じでしたね。ワンマンの社長がやってる会社だったので、僕より年上の上司がどんどんやめていくんですよ。

上司がやめて、繰り上がりで誰かが役職になるみたいな。僕より年上のペイペイはいっぱいいるんですけど、僕より年上の役職者がいない。役職者になった人は、社長とケンカしてどんどんやめていくみたいな…。

佐藤 あ〜。典型的な…優秀な人がやめていく会社…


笹野 っていうやつですね。こぞうの時には分からなくて、30歳をこえて「あれっ?」と思って、35歳をこえて「あれあれ?」ってなって…。結局、僕の番になった感じです 。

笹野さんのFaceookより

笹野 そこから、30歳すぎぐらいからですね。FacebookとかSNSをやるようになったり、細かい人脈を求めて交流会によく参加するようになったのは。

佐藤 そうなんですね。じゃあ、独立を考える前から、社外でいろいろ交流されていたんですね。

笹野 そうです。人脈を作ったり実力をつけたりして、それで結果を出せば会社にも信じてもらえると思っていましたが、最後まで平行線でしたね。

佐藤 コロナが流行ってからは特に…。
もう今は、中小企業でもお客さまのために本質的なことをやっているところだけが残る感じがしています…。

笹野 そうですね、それは感じますね。

それで独立したという感じです。独立したと言うか、40歳になると転職できないんですよね。

特に、印刷業界は落ち目な時期だったので、あのタイミングで転職をしても給料が下がるのは目に見えていました。なので独立したというか、しょうがなくっていうところもあります。

倒産の危機にさらされ方向転換。お客さまを総合的にサポートできる形態へ

佐藤 そうなんですね。笹野さんは、手堅く幅広く事業をされているイメージがありますが、創業されてから大変だったエピソードってありますか?

笹野 今の形態になるまでは、一番最初は印刷会社からお仕事をいただいての外注仕事がメインでした。うちは下請けだったので、お客さんのさらに先に、もう1社お客さんがあります。だったんですけど…。

4年ぐらい前のことです。うちの売り上げの7〜8割を占めている、大元のお客さんのところでバシッと方向転換が起きたんです。

「印刷物はやめ!これからはWebに切り替える!」って。

佐藤 え?急に…ですか?

笹野 そうなんです。売り上げの80%を占めているところから「笹野君、来月から0だわ」って言われる感じになってしまいました。

しかも、東証一部上場のどでかい会社さんだったので、僕が何か言ったところでどうにもならないんですよね。

僕がお話しできる印刷会社さんにかけあっも、そのさらに上の会社さんのことだからどうにもならなくて…。

そこで廃業の危機になりまして、「本当に潰れる」って。…諦める段階ですね。

貯金はみるみる減っていき保険は解約し、しょうがなく初めて銀行の融資を頼りました。銀行の融資があと1ヶ月遅れていたら廃業していた感じです。

佐藤 そんなことがあったんですね…。

笹野 そこから、かさこ塾で学んだりペライチに参画したり、BNIっていう異業種交流会のグループに入って、V字回復していった感じ。

補助金のサポートも始め、総合広告代理店として形を変えていきました。

佐藤 笹野さんって、Webというか、なんでもできるイメージが強かったんですけど。それがきっかけだったんですね。

笹野 なんでもできるというより、「まとめてやりますよ」っていうスタンスでやっている感じです。名刺を作るだけだったら、がんばって営業しても1つ受注して3万円の売り上げしかないじゃないですか。

同じがんばるんだったら、1回で50万でも100万でもいただける方がいいので。

倒産の危機があって方向転換して、ホームページから会社案内から「まとめてやりますよ」っていうスタンスになりました。

大きい投資になると「予算が足りない」ってお客さんも出てくるので、補助金のサポートも始めた。そういう形ですね。

笹野さんのFaceookより

全国をセミナーしながら廻る日々。そこで出会った仲間との交流

佐藤 販促工房のホームページのイラストは、どなたが描いてるのでしょうか?

笹野 漫画家の仲間に描いてもらいました。

コロナが流行る前は、全国をセミナーしながら廻っていたので。例えば、北海道で2回、青森で2回、仙台2回…といった感じに。

セミナーをしながら日本列島を降りて博多まで行くみたいな、リアル桃鉄をやっていました。

一度出かけると2週間ぐらい帰ってこないとか、ザラでしたね。

佐藤 楽しそう!

笹野 僕の仕事はホテルでもできるので。

セミナーをやって集客して。セミナーに興味がなくても僕に興味がある人も来てくれるので、そういう方は夜飲みに行って、仲良くなっての繰り返しをやっていました。

あとから忘れた頃にお仕事をくださる方もいますし、僕が仕事をお願いすることもありますし。

ライターや漫画家の方と出会うこともあるんですよね。ホームページのイラストはそのマンガ家さんに描いてもらいました。そんな流れで、仕事の幅が広がっているという感じです。

佐藤 わー!すごい楽しそうです!

笹野さんのFaceookより

あきらめるコツは日々の情報収集と、相手に「喜んでいただくには?」を考えること

佐藤 これまでお話を伺ってきて、笹野さんは変化に柔軟に適応してあきらめてこられた印象を受けています。

お客さんが求めているものが分かったら、かっこいデザインをあきらめて。やることやって無理だってわかったら、会社勤めをあきらめて。

創業して倒産の危機になった時も、すぐに新しい施策を実行されて。

要所要所で、人によってはつっかかってしまうようなところでさっとあきらめを選択されていますが、あきらめるコツってあるのでしょうか?

笹野 「コツ」というわけではありませんが、日々情報収集だけはしているので「こういう時はこうだな」っていう保険というか、いろんな考えを巡らすようにはしていますね。

佐藤 情報収集はどんな方法でされるのでしょうか?

笹野 各地の交流会やセミナーに出たりとか、自分でセミナーをやっていろんな人に会うこともありますし。

展示会に行くのが趣味なので、展示会は行きまくってますね。東京まで出ることもありますし、業界に関係ない展示会にもちょいちょい行きます。終活や美容系、服飾の展示会にも行きます。

佐藤 へー!多角的に情報収集するようになった理由ってあるんですか?

笹野 「新しいことを知りたい」っていう単純な欲求と。あと私は広告屋なので、いろんな業界の知り合いがいっぱいいるんですね。なので、新しいところで見つけた内容を知り合いにぜんぶ流すんです。

例えば、エステ関係の知り合いには「美容展でこういうのを出してる企業があったから、もしかしたらこれ真似できるんじゃない」とか。

「こういうのをやると面白いよ」っていう情報をどんどんみんなに流していくんですね。

そこから仕事として還ってくることもありますし、なにより相手が喜んでくださることが嬉しいです。

笹野さんはスイーツが大好き
笹野さんのFaceookより

損得勘定も大切。がんばった先にお宝が見えなければすぐにあきらめる

佐藤 みんなが喜ぶことを考えているから、人とやり取りするなかで「こんな状況だから、ここは自分があきらめた方がいいな」とか、そんなふうに思われるんですね。

笹野 そうですね。そして、できないことは「できない」って認めて「これは人に頼む。これは自分でやる」って判断もちゃんとしていますね。

判断基準としては、損得の打算的なところもよく考えますし、これを諦めずにがんばった先にお宝あればがんばります。だけど、がんばった先にお宝が見えなければすぐあきらめます。

僕は子供が3人いる5人家族の大黒柱なので、お金が稼げないのは死活問題ですから。というものあって、打算的に考えますね。

佐藤 あ〜。すごい大事ですよね…。

笹野 うん。金稼げないと家族持てないですから。

セミナー中の笹野さん
笹野さんのFaceookより

販促工房のビジョン「子育て中のお母さんをサポートする」に込められた思い

佐藤 笹野さんの、これからの展望を教えていただけますか。

笹野 今、48歳なんですけど。だんだんと次世代を育てる側になっていくので、若い人たちのサポートをしていきたいなっていうのがあります。

もう一つが、「子育て中のお母さんをサポートする」っていうのが会社のビジョンにありまして。

子供が生まれたばかりのお母さんって外で働けないじゃないですか。社会と隔離されてずっと子育てをしていくなかで、できたとしてもちょっとした内職で時給300円ぐらいしか稼げないでしょ。

能力が高い主婦の方はたくさんいらっしゃって、子育てで働けないだけだから。
そういう方に僕は仕事をたくさん取ってきて、家でできる仕事を提供するできたら社会貢献になるかなと思っています。

去年は令和ベイビーを産んだお母さん2人に、お仕事をお願いできました。

ほかにも、ペット病院の看護師だった知り合いが出産でお休みされていた時に、僕がたまたまペットショップのホームページを手がけていて。ペットの予防接種とかの原稿を書いてもらったりとか、そんなことをやっていますね。

佐藤 いいですよね。子育や家事で、持っているスキルとか経験を活かせていない方とか、いっぱいいらっしゃいますもんね。

笹野 いらっしゃいますからね〜。例えば、子供が寝たあとの1時間で原稿を書いて時給1000円もらえれば、1ヶ月で1万円とか2万円になるので、それだけでも違うと思います。

自由になるお金がちょっとあるだけで、自分の服だって自由に買えるじゃないですか。「旦那の稼ぎからだとなかなか買いづらい」とか、やっぱりあるので。

外の世界と触れてるって感じるだけでも心が軽くなりますからね。そんなことができていければと思っています。

佐藤 すごい素敵。ありがとうございました!

笹野さんのFaceookより

あきらめの根底にあるのは他者への貢献。「自分も相手も嬉しい」をカタチにして売り上げアップ!

かっこいいデザインをあきらめ、勤め人をあきらめ、倒産の危機には事業形態を変化させることでピンチを切り抜け、売り上げをつくり続けている笹野さん。

「ここぞ!」というところであきらめを選択できる秘訣は、日々「みんなに喜んでもらえること」を考え、実行されているところにありました。

そしてなによりも、笹野さんのあきらめの根底にあるものはご家族や従業員の皆さま、子育て中のお母さんたちなど「大切にしたい人への貢献」だと感じています。

あなたが貢献したい、守りたい相手はどんな人ですしょうか? あなた自身は、どのような働き方を望んでいますか?

ちょっと立ち止まって考えてみると、あなたが本当に大切にしたいことが見えてくるかもしれません。